太極拳24式とは
太極拳にはいくつかの流派があるが、どの流派であっても初心者が初めに学ぶべき非常に優れた練習方法がある。
それが『太極拳24式』だ。
世界で最も人気があり実践されている「楊式太極拳」を簡略化したものになるのだが、全部通して行っても6分程度なので高齢者や女性初心者にも取り組みやすい。
太極拳をやっている人の割合
ちょっと古いデータにはなるが、2014年時点で日本における太極拳愛好者人口は約150万人で、うち女性7割、男性3割となっている。
また、年齢別に見ると60代、70代が合わせて7割以上を占めるなど高齢者が多い。
高齢者にとっての効果・メリット
高齢者が多い理由としては、定年退職後に始めるスポーツとしての人気の高まりや、公民館や老人ホームで教室や催しが増えていることもあるが、太極拳を続けることが転倒防止につながる、というメリットも大きい。
転倒事故と言えばスポーツや外出先など何か特別なシーンで起こるイメージだが、高齢者は自覚している以上に身体能力が低下しており、その多くは住み慣れた自宅で発生している。
高齢者にとっての転倒は、骨折や頭部外傷等の大けがにつながりやすく、介護の必要な状態になってしまうこともあり非常に危険だ。
また症状が軽く済んだとしても、転倒への不安や恐怖で意欲がなくなり活動量が下がることで、さらなる転倒のリスクを招く危険性もある。
転倒のリスクを減らせるならば、高齢者にとっては大変ありがたい。
高齢者にとってのデメリット
太極拳にはデメリットもある。
基礎をしっかり学ばないと膝を痛めてしまう点だ。
年齢にかかわらず全ての初心者に起こりうることだが、膝が弱い高齢者に特によく見られる。
最近ではYouTubeなどの動画サイト、DVDや書籍、ネットなどから簡単に太極拳の情報が手に入る。
また公園や自宅など、どこでも手軽に出来ることから見よう見まねで始めてしまう人もいると思うが、まずは教室などできちんと指導を受けることをおすすめする。
女性にとっての効果・メリット
男性に比べ女性の割合が多いのは、子育てが一段落したタイミングで習い始める人が多いからだと言われているが、太極拳を続けることで女性特有の悩みに効果を発揮していることにもよる。
女性は妊娠、出産、子育て、子供の独立など人生のライフステージの変化によりホルモンバランスを崩しやすく、自律神経が乱れやすい。
またホルモンバランスの変化により抑うつ症状を発症することもある。
太極拳は自律神経を整え、心の健康にも作用することからメリットを感じ、続ける人が多いのだ。
女性にとってのデメリット
女性に限ってのデメリットとしては体重が増える事がある、という点だ。
太極拳の練習を続けるととても体調が良くなる。そのため、痩せすぎていた人は体重が増えて適正体重になることがある。
体重計に乗るとショックだと思うが、本来あるべき姿であってむしろ健康的だ。ぜひそのまま続けて欲しい。